古楽夢 ~六拾六~

木曾海道六拾九次之内
高宮/広重画

 高宮宿の南を犬上川が流れており、この川の南岸から宿場を望んで描いたのがこの絵である。宿場の入口の左には常夜燈が立っている。平時の犬上川の水は地下に潜って流れていて、表面に出ることが少なく、旅人達は仮橋を渡っていた。この絵では、その仮橋の橋板も取り外されて、橋脚だけが残っている。それでも旅人達は水のない場所を探してジグザグに歩いている。高宮宿は高宮布という麻布の生産と集散地であり、宿場内にはこの布を商う家が何軒もあった。高宮布は近江商人が諸国を回って売り歩き、また彦根藩もこれを将軍家へ献上したりしたので、その名は全国に知れわたっていた。この布は麻の茎から外皮の繊維を剥ぎ取り、これを細かく裂いて糸に紡んで織ったものである。麻の栽培から布にするまですべて農家の女の手仕事で行われていた。外皮を剥いで残った軽くて脆い茎は苧殻と呼ばれ、屋根葺の下敷、お盆の迎え火、送り火、懐炉灰の原料などに用いられた。この絵の手前の農婦2人が軽々と背負っている縦長の俵に入っているのは苧殻であろう。後からは一文字笠を被り、羽織を着、大刀は蓑とともに背中に負い、小田原提灯を下げた武士がやってくる。高宮宿から東へ延寿の神を祀る多賀大社への参詣道が分岐している。

切手で見る日本の城 その二

愛媛県:今治城

島根県:松江城

島根県:津和野

長野県:松本城

沖縄県:首里城

岡山県:備中松山城

愛知県:名古屋城

兵庫県:竹田城